岩盤浴初体験で思い出す少年時代。

実家がある熱海市に帰省した1日目を、駅近くのホテルで過ごす事にした。

サラリーマンの短い夏休み、たまには観光客気分を味わってみたいのと、男性でも利用可能(ちなみに男女共用)な岩盤浴(嵐の湯)の利用が目当て。人も少ないであろう平日に、デトックスなんて優雅じゃないか。

早速チェックインを済ませて地下一階の大浴場に入ると、優しそうな白髪のお婆ちゃんスタッフが、笑顔で声をかけてくれた。

「岩盤浴ですか?」

「いえ、観光客です。」

分かりにくいばかりか、下手したら嫌な客にカテゴライズされかねないボケは胸にしまいつつ、岩盤浴の利用方法についての説明を素直に受ける私。
水分補給用のミネラル水の入ったペットボトルと共に、室内へと入った。

伊東園ホテルグループ 熱海館 岩盤浴 嵐の湯

「なるほどね~。」

岩盤浴と言えば40度前後に室温調整された部屋の中で、遠赤外線効果のある暖かい石板の上で寝転がって汗を出すものかと思っていたけれど、ここの岩盤浴は暖められた床中に玉砂利状に加工された数種類の薬石を敷き詰め、更に硫酸塩の源泉を散布して温泉の蒸気を充填させるというものだった。

伊東園ホテル熱海館
伊東園ホテルグループ 熱海館

寝転んだ身体を左右に揺するだけで、自然と身体にフィットする薬石。こりゃあ良い!
硬い岩盤の上に横たわるのを躊躇いがちな腰痛持ちの方にもお勧めなのである。

石からじんわりと身体に伝わる熱による、僅か数分での大量発汗
初めての経験の筈なのに、どこか懐かしいこの感覚…その理由は何だろう?考えた時、冷房の効いた自室で、褐色の肌に憧れた高校時代のエピソードを思い出した。

良く晴れた日の、焼けた自宅の屋根に水を撒いて、少し冷ました瓦に敷いたバスタオルの上に、身体中にオリーブ油を塗って寝転がった時、太陽の熱さよりも 背中から伝わる熱さで汗だくになったっけ。

あの夏の日から、もう20年も経ってるんだ…

この程度の映像くらい、ネットワーク環境さえあれば いつだって観られる事は分かっていても、ホテルの有料チャンネルには20年前と同じように 心躍らされてしまう、うえ 37歳 独身 彼女ナシでございました。

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