天空集落 民芸のお宿 山香荘(さんこうそう)一宮坊は宿坊の域を超えた素敵宿だった!

せっかく檜原村(前回の旅行記へ)まで来れたのだから、もう一か所くらいは普段はなかなか行けない西東京エリアで宿泊してみたい!という事で、ちょっと気になっていた温泉宿をチョイスしてみました。
その温泉宿というのは東京の天空集落と呼ばれる場所にあるんです。天空集落…何か素敵な響きじゃないですか?

その場所は東京の青梅市にある御岳山(みたけさん)の山頂近くにあります。
御岳山は古の時代から山岳信仰の霊山として知られていて、修行をしていた山伏たちが定住し宿坊を営むようになって集落ができたとのことです。

そんな天空集落の中で今回お邪魔することになったのが、民芸のお宿 山香荘 一宮坊さん。こちらも宿坊なのだそうです。
ちなに宿坊とはお寺や神社の宿泊施設のことです。元々は修行僧や参拝客のための施設でしたが、現在では宿泊施設としての観光客の宿泊を受け入れる施設も増えていて、この御岳山にも実に多くの宿坊が集まっています。

御岳山、山香荘へのアクセス
御岳山、山香荘へのアクセス

まずは御岳山や今回お世話に山香荘へのアクセスですが、まず向かうのはJR青梅線の御嶽駅、駅の改札を背にして左斜め前方にバス停があるので、そこから約10分の「ケーブル下」という停留所(終点)で降車します。

ここから御岳登山鉄道のケーブルカー乗り場である滝本駅へと向かうのですが、久々に感じるレベルの急勾配でした。何となくですが、修業がここから始まっている気にもなるレベル。(笑)

ケーブルカーに乗って約6分、標高831mの御岳山駅に到着すると、そこはもう別世界。まずは空気の冷え具合が麓とは段違いで、夏なのに涼しいの何の♪
ここから山香荘までは徒歩約15分。場所は御岳神社のすぐ近くなので、御岳山に存在する数々の宿坊の中でも最も高い位置にある宿坊ということになります。

民芸のお宿 山香荘 一宮坊(外観)
民芸のお宿 山香荘 一宮坊(外観)

特に宿の近くは勾配が厳しい上に階段もあるので、これは健脚なうちに訪れる必要がある場所だなと感じました。

それにしてもJRの駅を降りてから山香荘に到着するまで、街中の喧騒がすーっと消えていくこの移動プロセスがまるで何かの儀式のようで、自然と心が整っていくのを感じました。

ちなみにこの山香荘、長い歴史をもつ宿坊でもあって、山岳信仰の地ならではの厳かな雰囲気も味わえます。

民芸のお宿 山香荘 一宮坊(エントランス)
民芸のお宿 山香荘 一宮坊(エントランス)

エントランスを入ると私がこれまでに抱いてきた宿坊のイメージが良い意味で崩れました。和モダンなラウンジ、そして館内に流れるジャズの音色が良い感じ。

歴史は江戸時代からだそうですが、柱や梁、調度品には大正ロマンの趣を感じます。増築がなされているのか、建物は少々変わったレイアウトですが問題ありません。ただ、そこは宿坊なので館内にエレベーター等はないのでご注意を。

民芸のお宿 山香荘 一宮坊(客室)
民芸のお宿 山香荘 一宮坊(客室)

客室はご覧の通り懐かしくて温かみのある和室。部屋にはバス・トイレ共にありませんが全く問題にはなりませんでした。

窓から入ってくる風はひんやりとしていて、ここでも夏なのに涼しくてビックリしました。ちなみにエアコンも付いていましたが全く使いませんでした。

ホスピタリティ満載のご主人によりますと群馬県の山から関東平野まで一望できる景観だそうで、確かに眺望も素晴らしくて日常から解き放たれる時間を堪能できます。

ただ、山の中ですし季節柄もあって虫は普通にいるので網戸は必ず閉めましょう!

民芸のお宿 山香荘 一宮坊(温泉大浴場)
民芸のお宿 山香荘 一宮坊(温泉大浴場)

温泉はは古代檜風呂と大理石風呂の二種類(男女入替制)で、ゆったり浸かれる大きな湯舟。温度は平均より気持ち高いかな?くらいなのですが、これが短時間でもあっという間に身体が温まる驚き体験。

個人的には、これがもう少しだけぬる湯だったらもの凄く好みの温泉なのに~と思いましたが、これは本当になかなかの泉質。露天風呂はありませんが、とても満足度の高い温泉!ラジウム泉は初めてではないのですが、こちらのラジウムは一味違いました。

坂道を沢山歩いて疲れた足や身体もすっかり癒えた感じです。

民芸のお宿 山香荘 一宮坊(夕食)
民芸のお宿 山香荘 一宮坊(夕食)

そして旅の満足度を数段階上げてくれるのが素晴らしく手の込んだ夕食です。

その前に…宿泊客に夕食の時間を知らせる方法は幾つかあると思うのですが、ここでは大音量の音楽でそれを知らせるというシステム!斬新~(笑)
その大きな音の先へ宿泊客がぞろぞろと向かう様子に既視感…と思ったらアレです、ウォーキングデッドです。

それはさておき、座る前から用意されている先付けだけを見てもレベルの高さが伺い知れるほどの料理の数々。山の中だけに鮎の塩焼きには定番感があるのですが、添えられたワサビのオリーブ風味ソースによって、イタリアンのようにも楽しめてしまいました。

様々な趣向を凝らした山の幸せ尽くしといった感じで、どれも心に残る一皿ばかり。正直、宿坊と呼ばれるからにはもっとシンプルな料理を想像していたのですが、それを余裕で超えてくれる美食の創作料理でした。

この日はラッキーな事に作っても作ってもスグに完売してしまうという自家製豆乳アイスクリームも絶品!
ご主人が他のお客様に話されていたのですが、メニューは四季折々で変わり、夏場はあっさり系、逆に冬場はこってり系になるそうです。これは何度でも訪れたくなってしまいます。

御岳神社

翌日は歩いてスグ(…とは言え、急な坂道と階段)の御岳神社にお参りして岐路につきました。

非日常に浸れる静けさと癒し、鳥の声と風の音しか聞こえない空間で心のデトックスができちゃいました。都内に長く住んでいながら、こんなにも素敵な場所があることを知らなかったので、それを体験きた充実の3日間でした。

民芸のお宿 山香荘 一宮坊 オンライン予約サイト情報

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