もうね、夏はぬる湯しか勝たないと思ってる訳ですよ。なので夏は東京の都心から近いぬる湯を巡ることが多いのですが、ぬる湯で有名な伊豆の畑毛温泉は制覇してしまった今、注目したのが山梨県の下部温泉です。
行ってみて分かったのが華やかな観光地というより、山あいにひっそりと残る昔ながらの温泉街。そんな下部温泉で今回宿泊したのが下部温泉 湯元ホテルさんです。
下部温泉 湯元ホテル 外観
Googleや宿泊系サイトの口コミからも充分に覚悟はしていたのですが、もう宿に到着してドアをくぐった瞬間からして「おお…予想以上に年季が入っているな」という第一印象でした。
建物も客室も今どきのホテルとはかなり違います。
細菌は昭和レトロというキーワードが人気ですが、昭和時代って長いんですよ…何せ64年ありますしね。湯元ホテルからは昭和中期以前の香りが漂います。
下部温泉 湯元ホテル フロント周り(現役の赤電話)
ところが実際に温泉に入ってみるとそんな印象なんてどうても良くなるレベルに一変します。「これは温泉好きがわざわざ泊まりに来る理由が分かる!」と思える程に温泉が良かったんです。特に私みたいなぬる湯好きには刺さる宿。
低温の源泉にじっくり浸かる時間、これは熱い温泉に入って「ふぅ~」と汗をかくのとは違って体温以下のぬるいお湯に浸かっていると、いつまでも出たくなくなってしまいます。
今回はそんな下部温泉 湯元ホテルの実際の宿泊体験を良かったところだけではなく、気になったところも含めて正直に紹介します。
「下部温泉 湯元ホテルって古いの?」
「客室はどんな感じ?」
「温泉は本当にいい?」
「食事はどうなの?」
そんな疑問を持っている方の参考になれば幸いです。m(_ _”m)
下部温泉 湯元ホテルを選んだ理由
下部温泉の下部川沿いには何軒もの温泉宿があるのですが、その中から下部温泉 湯元ホテルを選んだ最大の理由は…もちろん温泉です。
下部温泉自体が山梨県身延町にある歴史ある温泉地なのですが、その中でも湯元ホテルは古い歴史を持つ昔ながらの温泉宿。宿の紹介によると敷地内には自噴する5つの源泉があって、それを贅沢にも一切の加水なく源泉かけ流しで堪能できる温泉を楽しめる宿として知られています。
施設が老朽化している上にサービスも最小限であるが故に価格はとてもリーズナブル。いわゆる高級旅館に泊まって料理やサービスを楽しむ旅ではないのですが、今回の目的が「温泉に入って何もせずに過ごす♪」なので、それを果たすにはもってこいの宿でした。
下部温泉 湯元ホテル 宿の基本情報
宿泊情報では和室8畳または10畳などの客室が用意されており客室は全室禁煙、アウトバス・トイレ付きと案内されています。
ただ、一人旅で利用する場合には6畳の部屋が割り当てられることもあるようです。
館内には大浴場と岩風呂があって時間帯によって男女が入れ替わる方式です。しかしながら露天風呂はありません。
少し注意したいポイントとしては大浴場が時間帯によって男湯・女湯が入れ替わることですが、これは大した問題でもないように思えます。。
チェックイン:15:00
チェックアウト:10:00
公共交通機関でのアクセス方法
車を運転しない旅行者にとって下部温泉の魅力のひとつがJRで行けることです。
最寄り駅はJR身延線 下部温泉駅で楽天トラベルにはJR下部温泉駅より徒歩18分と書かれてまして、私が実際に歩いたときも同じくらいかかりました。ただ道は平坦なので徒歩も苦にはなりませんでした。
駅からは下部川沿いを歩くだけなので迷うこともなさそうですし、ゆっくりと徒歩で温泉街を歩くのもなかなか良いものです。
都会の温泉街とは違って山あいの静かな道を歩いていくので「温泉旅行に来たなぁ」という気分になってきます。
但し駅から湯元ホテルまで歩いた限りではレストラン的なお食事ができる施設が存在しない(営業しているのかもわからない)ので、公共交通機関のみで行くならばお弁当等の食料を事前に準備しておく必要があります。
「夕食は現地のお店で食べればいいか」なんて感覚で行くと困る可能性があるのでご注意を。
私は最寄り駅で駅弁とビール、ちょっとしたツマミを持参しました。
下部温泉 湯元ホテル 客室レビュー
ここからは実際の宿泊体験ですが、部屋のドアを開けた瞬間から感じたのは想像以上の年季です。私、ご承知頂いておりますように数々のオンボロ(失礼)な旅館やホテルへの宿泊経験がありますが、その中でも湯元ホテルはトップクラスの老朽具合でした。
まずは客室のドアを開けてから和室に入るまでの導線ですが…凄くないです?あ、↑画像正面に見えるのが冷蔵庫です。でも冷蔵庫があるだけ嬉しいです。
建物は古くてもしっかりとリノベーションされた部屋を想像しちゃ駄目です。建物そのものに長い年月が流れていることが分かるように、部屋もしっかりと古いです。現在の宿泊情報でも客室は「歴史ある趣のある渓流沿いの和室」と紹介されています。
この「古さ」をどう感じるか?これこそがこの宿を受け入れられるかを分ける大きなポイントになるでしょうね。私はしなびた温泉旅館が好物なので全然アリ。むしろ最近のリニューアルされた旅館にはない昭和の温泉宿感が面白くさえ感じられました。
下部温泉 湯元ホテル 客室
客室は1~2名で過ごすには充分な広さの8畳和室ですが、ビールを飲む専用スペース的な位置付けの広縁はありません。
画像中央エアコンも歴史を感じますよねぇ…これ50年近く前に実家にもあったタイプだ。Wifiも無料…との事ですが、SSIDすら表示されませんでした。恐らく電源が入っていないのだと思います。笑
畳の上でゴロゴロしながら次の入浴時間まで休憩するような、湯治的な過ごし方がちょうど良いように思います。
ちなみに客室にはテレビ、電気ポット、浴衣、バスタオル、フェイスタオル、歯磨きセットなどが用意されていました。必要充分です。
下部温泉 湯元ホテルは温泉が素晴らしい
ここは温泉がすべてと言っても過言ではない…それくらい今回の宿泊で一番印象に残ったのが温泉でした。部屋や建物はさておき、温泉が良ければ良いという方には刺さります。
湯元ホテルには大浴場と岩風呂があって、それは時間帯によって男女入れ替わります。大浴場は地下にあるのですが、足元の床は腐食しているためか歩くと沈みますので要注意です。
ちょっとホラー感すらある大浴場入口
特に床がやばくて「この床、大丈夫かな?」と思ってしまうほど。ベニヤ板で補強?されていたので実際に床が抜ける訳ではありませんが、ちょっとしたスリリングさも味わえました。
で、大浴場には浴槽が3つありまして、高温(とは言ってもそれほど熱くない)、中温、低温があって、岩風呂には中温と低温の温泉が贅沢にかけ流されています。
いずれも温泉は自家源泉で湯量も下部屈指!かけ流しの源泉として紹介されているぬる湯がとにかく気持ち良いです。温度感は体温よりも低いと思います。例えるなら…市民プールレベルですかね。温泉に入った瞬間は「ちょっと冷たいかも?」と思えるくらい。
ちなみに湯元ホテルの温泉には推奨する入り方がありまして…
下部温泉 湯元ホテル 温度が異なる2つの浴槽(岩風呂)
【湯元ホテル 基本の入浴方法】
1.かけ湯 or シャワーで身体を流す
2.温泉に3~5分入る
3.冷泉に10分入る(水分補給も)
4.温泉に3~5分入る
5.冷泉に15分入る(水分補給も)
4と5を繰り返し、最後は冷泉でフィニッシュ!
なので平均的には1時間程度の入浴となります。
熱い温泉ならそれほど長い時間は入っていられませんが、ここの温泉であれば身体への負担がとても少ないので2時間でも余裕でした。まさにずっと入っていられる温泉。
下部温泉のぬる湯を目当てに何度も湯元ホテルを訪れている温泉好きがいるというのも納得で、実際にいらしていたお客さんともお話したところ数年前から通っていらっしゃるそうでした。面白いのがぬる湯だけで終わらないところ。温かめの浴槽と低温の源泉を行ったり来たりするだけなのですが、これが妙に気持ち良いんです。
今どきのスーパー銭湯やリニューアルされた温泉旅館しか知らない方が行ったら、かなり驚かれると思います。ですが入ってみるとこれまでに味わったことのない整い体験が堪能できると思っています。
これ、他の温泉宿でもやってくれたら良いのに…38度くらいの草津温泉にずっと浸かってみたいなぁ…
下部温泉 湯元ホテル 朝食がヤバい
今回の宿泊で温泉とは別の意味で忘れられないのが朝食でした。私、長いこと一人旅してますが、ご飯のおかずにパンが出てきたのは初めて。笑
「これはパンとして食べるものなの?」と思ったのですが…そこにご飯があるという何とも不思議な組み合わせでした。
下部温泉 湯元ホテル 謎の朝食メニュー
パン+ご飯 すごいなこれ。でも他のお客さんはそれを特に気にされる様子もなく、普通に召し上がっていたのも少し楽しかったです。
何年後かに「下部温泉の湯元ホテルに泊まったな」と思い出したとき、温泉よりも先に朝食がパンをおかずにご飯だったことが出てきそうです。
ちなみに現在の宿泊予約情報では朝食付きプランと素泊まりプランが掲載されていて、夕食付プランはないようです。ただ週末は中華のシェフがいらっしゃるみたい。
下部温泉 湯元ホテル 実際に泊まって良かった点
1.ぬる湯が最高
何度でも言いたくなるくらいぬる湯が良かったです。熱い温泉が苦手な私のような方や、長時間ゆっくり温泉に入りたい人には特に魅力的かなと。夏はぬる湯しか勝たんです。
2.温泉旅館らしさが残っている
建物は新しくない…というか、どちらかと言えば崩壊レベルに近いです。ですが、その古さも含めて昔ながらの温泉宿という雰囲気があります。
館内の備品とか、まさに昭和中期レベルです。
3.温泉を目的にのんびりできる
観光や食事をメインにする宿というより、温泉に入るためだけに泊まるという使い方が似合います。
4.一人旅にも向いている
下部温泉そのものがとても静かな温泉地なので、一人で訪れても居心地が良いです。温泉に入って、部屋で休んで、また温泉へ…そんな旅が堪能できます。
逆に気になった点
もちろん良いところばかりではなくて、何より多くの方が気にされるだろうな…というのが建物や設備の古さです。
良く言えば「歴史を感じる」という表現もできますが、裏返せば「古い」です。特に地下浴場はインパクトがありました。
館内の自販機は全て故障中
設備が新しくて清潔感のある温泉旅館に泊まりたい!という方には、向いていない可能性があるどころか、圧倒的に不向きなので来ない方が良いです。
更に館内の昇降手段は階段のみなので、足の悪い方もNGです。
そして近隣に飲食店やコンビニなどがないため、食事なしのプランを利用する場合は注意が必要です。
まとめ 下部温泉 湯元ホテルはこんな人におすすめ!
下部温泉 湯元ホテルに実際に泊まってみて感じたのは「人を選ぶけれど 温泉好きには刺さる宿」という点でした。
建物は年季が入っていて、そろそろ寿命なのではないか?と思える程で客室も最新設備が整ったホテルとは全く違います。地下浴場の床を見て「大丈夫かな?」と思う瞬間もありました。
朝食も「パンをおかずにご飯?」という、ちょっと不思議な体験でした。
それでも私はこの宿に泊まって良かったと心の底から思っています。それくらい温泉が良かったんですよねぇ…身体に優しい温度の温泉にゆっくり浸かっていると、時間の感覚がなくなっていくんです。
スマホを見る気もなくなり、観光地へ急いで出かける気もなくなって、もう少し温泉に入っていよう…という、温泉旅行の醍醐味が味わえます。
・ぬる湯が好きな人
・源泉かけ流しの温泉を楽しみたい人
・昔ながらの温泉旅館が好きな人
・一人で静かに温泉旅行をしたい人
・建物の古さを「味」として楽しめる人
・観光より温泉を目的に旅行したい人
上記条件に合致するなら、下部温泉 湯元ホテルは一度訪れて頂く価値があると思います。下部温泉で宿を探している方、ぬる湯好きの方には、ぜひ候補に入れてほしい一軒でした。
下部温泉 湯元ホテル オンライン予約サイト情報
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