飛騨路一人旅二日目 飛騨高山~下呂温泉。

高山で宮川朝市を見物した後、特急で45分ほど南下した場所にある下呂駅で下車した。下呂温泉と言えば有馬・草津とともに、日本三名泉に数えられる岐阜県でも最大の温泉地である。

まずは腹ごしらえをしようかと、阿多野川沿いにある飛騨牛の串焼きを店頭販売しているお店に隣接した手打ち蕎麦屋に入った。

♪ 代打で登場 大一番~ 狙うは満塁ホームラン ♪

店内に流れる野球選手の応援歌は誰に対するものか?は分からなかったけれど、昭和30年台を思わせる曲が流れる店内にい客は私一人。なかなかの立地条件なのに…このお店は大丈夫なのだろうか?

それはさておき、今回のお目当ては「飛騨そば」。やはり観光地に来たからには、ご当地ならではの逸品を頂きたい。

「お客さん、どちらから?」
「あ、東京です。」
「良う来てくれんさったな~。何にします?」

髪の毛を切りに行った時に交わす美容師との会話は敬遠したいものだけれど、一人旅ではこんな風に、お店の人とちょっと会話が出来る雰囲気の店が良いのだ。

「んと…じゃあ、この[きのこそば]を下さい。」
「あいよっ!きのこ一丁ね~!」

と、気さくなご主人が奥の厨房に消えてから5分程経過した時であろうか、この2日間で撮り溜めたデジカメ画像を眺めていたとき、こんな電子音が店内に響いた。

「チ~ン!」

新宿で働いていた頃、ランチタイムには色々なお店を食べ歩いたものだけれど、この音を聞く店、それはほぼ例外なく「二度と行かない店」なのである。

「手打ちだからね~。熱いうちに食べてね~。」
と、ご主人が出してくれた蕎麦が↓こちら。

飛騨そば

「手打ちそば」の魅力は「熱いうち」に食べてこそ発揮されるものなのだろうか?というツッコミはさておき、電子レンジで尋常じゃないレベルにまで熱せられたキノコは味が付いていないばかりか 自らの蒸気によって臭みだけが増幅され、肝心の蕎麦は緑のた○き以上にコシが無く、細く、しかも短いもんだから どうにも貧乏くさい。見た目は濃厚そうなスープの味にも深みは一切なく、お湯に濃口醤油を混ぜただけといった所だろうか。

全角192文字でその味を表現みたけれど、要は「不味い」のである。
それは…そう、味わった途端「不味い」という3文字が舌からつま先まで何度も往復するような、そんな不味さ。

いや、もしかしたら、この蕎麦を1000人が食べたとしたなら、うち1人くらいは「美味い♪」とか言っちゃう人もいるだろうから、ここは「口に合わない」という表現にしておこう。

まさにミラクルな程に口に合わない蕎麦、ここまで口に合わないと、怒るよりも笑ってしまうから不思議だ。
「俺はね~、信州の生まれなもんだでね~、店では信州そばしか出さんのよ~。」

いやいや、信州そばは普通の食べ物であるハズだ。

これで今晩の宿泊地の夕食メニューである飛騨牛会席でも同じような仕打ちを受けていたとしたなら、私は下呂という地名を今度からはカタカナで書く事にしてやろうか?位に思っていたけれど、これがまた抜群のコストパフォーマンス。いやいや、美味しかった。

飛騨牛会席

それにしても、飛騨蕎麦目当ての観光客も多いであろうこの土地で、ミラクルに口に合わない信州そばとの出会い、このお店はこの辺りにあるから、皆様には私が旅先で感じたミラクルを、是非とも体験して頂きたいものである。

下呂温泉 KKR下呂 しらさぎ オンライン予約とお土産情報

【スポンサーリンク】